サファイア・マン《かけがいのない男編》〔111〕よほどバイタリティがあったのでしょう。まだ、三十一歳のキャロルですからそれも頷けます。自分が女性だから優しく守って欲しいとの思いは皆無でむしろ、お腹に子供がいることが強気にさせていました。この子が生まれたら必然的に会社に届けることが安易に想像出来たし、こんな思いでいることが不謹慎でいることにも気が付いた。彼がきっと変わる!!そして気持ち良く一緒に生活することが出来るというプラス予測?しかしウルトラCと呼んでもいいような恐ろしい発言が彼の口から飛び出すのです。そのマンションは今で言うペットも飼えるような当時としては斬新な計らいを持っていたのです。なんでそうだったかはわかりませんが、大きな犬を飼っている人がいたのです。彼が言います。将来は一軒家を建てて犬を飼って過ごしたいな!って。それが何でキャロルの心を逆撫でしたかはわかるでしょう。実家に二人の子供を置いてきている。どんなに心配かが彼にはそこが無頓着でした。犬を?なんでまた?キャロルがわざと質問したのは間違いありません。子供がいい子に育つのは動物がそうさせるって聴いたことあるからさ。ふ~~~ん。大きなギモンフがキャロルに点灯します。彼が全くキャロルが置き去りにした子供達のことなど考えていないことが明らかになった瞬間でした。