水道が壊れていることをいいことに料理をほとんど作らず俺にほっともっとの弁当ばかり買って来て食卓に上げてくる。味噌汁などの汁物は作るが、洗い物が大変で、こういうときこそ弁当でいいとあいつは言い張る。俺は蕗の煮物がごっそりあるので弁当は贅沢に思えるが昨日も五百円の幕の内。サバが入った奴だ。あいつは自分流でいろいろな試みをして持ってくるのには俺も強肩になる。家庭内キャッチャーとして走塁阻止率を高めるチャンスで、あいつはとんでもない走塁をしでかすのだ。ほっともっと新商品、ビビンバに付いてくるタレを冷やしラーメンのつゆにごっそり入れてくる。これは格安で購入していた五木の自分で麺を湯がくタイプの商品で本当に怖いのはあつかましさだ。この前のときビビンバのタレを俺は使わず冷蔵庫になおした。それを冷麺のつゆにガバチョと入れて持ってきたのだ。辛すぎる!と俺は怒ったが、冷やしラーメンに合うとあやつは譲らない。一度言い出すと引く事はないゆえに俺も諦めた。異性と巧く暮らしていくには相手の弱点を長所と捉えるしかないのだ。デルスカイしておこう。ビビンバの教えである。