サファイア・マン《面白い男編》〔69〕今、購入六箱目の、緑のアメリカンスピリットが最後の1本になってしまい、ああ!と歓喜にむせびます。これからの二週間はお給料日までのデッドラインに入るのです。三千円手持ちではタバコも買えませんがゴールデンバットがあったことを思い出す・・・。渡したときに六時の君がこれ、貧乏な時に金がないときに吸ってたんで懐かしいですって感慨深く語ったのを忘れない。あと一個は長女にプレゼントしました。彼女は以前キャスターを吸ってたから当然今はウィンストンのはず。でもまてよ。七日我が家にきたときにも頻繁に外に出てタバコタイムを、そのときに話したのに、そのタバコをよく見ていなかった自分に残念です。こういう時、松本清張なら、はずしはしないでしょう。新ウィストンに替わってそれを手にしていたのか?それともキャスターの古い分を買い貯めしていて七日はそっちを吸っていたのか?一箱以上吸う人々をヘビースモーカーと呼ぶそうで6時の君が大事そうにゴールデンバットを受け取った瞬間の笑顔を忘れません。金のない時に吸ってたタバコかあ・・・。人が放った言葉が現実化するという威力に打ちのめされる瞬間です。もちろんその時にはわかりません。ま、まさかこんなに早く三千円ぽっちりになってしまうなど当初は想定外でしたから。