ピンク-パールウ-マン

 コミュニティの中心はやはり、ティールームでした。そこでは、元気なお年寄りは集まり、様々な境遇を話しています。家族自慢や、嫁自慢、または、それと相反する夫の悪口や、子供に対する不満が主の人もあり、礼子は自分の母親が自由奔放に生きる人だったゆえ、息を飲みながら、聞いていたのです。母親はある日突然家を出て行き、礼子には就職支度金として10万円を置き手紙と一緒に入れていました。手紙には、こうあったのです。煩わしい家族との軋轢や折衝に疲れた…探さないで欲しいという内容でした。礼子は、几帳面な父親を尊敬していましたが、母には反発が芽生えていたのでしょう。一人っ子だったことで、礼子はそれからは、友人を宝石に捉えました。人は誰も、突然方針を変えてしまう生き物。父は母がいなくなってまもなく亡くなりました。