うちは逆子で出産も難儀を極めることはわかってたんやな。母親の心がストレートに伝わる胎児やった。うち自体、世の中に出て来ることが難儀やと知っとった。ましてや、教育者が両親や・・・自由な生き方なんか選べんとそう邪推しとった節はあるな。両親は、特に母は、うちが四歳で問題を起こしたことが起因で自由な子育てに転向をしたんや。ゼロ歳からスパルタ教育を受けて他の子供とは違う時間帯で動いていた。一人っ子やったことも要因で寂しかった。うちは鍵っ子でみんなは兄弟で行動しとる。夕餉のときはみんなは切磋琢磨して、楽しそうに映って羨んだ。うちはこの世に出て来たくない理由を挙げて連ねて談判は試みた。母は答えた。うちも自信はない・・・って。そうやってこの世に来て、うちの存在が今クローズアップされている事実は奇遇としか言いようがない。