ブラックオニキス・マン

 

夫婦単位で過ごす人々もあれば生涯独身を貫き通す人だっている。皆が自由に選択できる。僕はアットホームな家庭に憧れを抱いた。しかし不協和音だって視野内だ。そもそも喧嘩を全くしない夫婦が世の中にいるのだろうか?僕には全く信じられない。喧嘩をするたびに僕らの絆は深まる気がする。彼女はよく泣く・・・しかしだんだん僕にもその泣き上戸がうつってきて、喧嘩するたびに感性が銀波のように豊かになっていく。それは良い兆候なのだと捉えている。独身貴族だった親父がいつか家庭を持って、その驚きと慄きはいかばかりだったろう。43歳で初婚である。相当の勇気が必要だっただろう。なぜ、結婚に至っていったか?その気持を僕らに吐露してくれた。自分の子供を見たかった・・・というものだった。男は全員そうなのでは?って父は堂々としていた。男の子でも女の子でもいい・・・果たして自分の子供はどんな瞳を持っている?想像は尽きなかったという。なぜ、男は自分が子供を産むわけではないのに、父なのだろう。そこがいかにも不如意だ。逆に女子は自分が産むのに、なんで、こうもクールでいられるのだろう。男性は、母性の塊で、女性は父性の塊なら、新時代を誰が切り開くのか?そこまで僕から言わない。みんなが既に了承している。