デニム・ブルーママン18の19

 

里子さんと呼び替えましょう。彼女は同じフランス語科選考でしかも容子とは共通点があったのです。男の子のような心を維持していた。飾り気がなく女々しくない。その表現は妥当ではないかもしれません。とにかくさっぱりした性格で冒険心も強くて何よりも、フォークソングが好きだった。当時外語短大は泉町にあってふたりはよくアサヒショッパーズに行くことも日常多かったようです。専門的な音楽の話になると、ふたりはどんどん先にみずから話を切り開こうとするし、似たもの同士という言葉がピッタリだったようです。容子は、クラシックに近い楽曲をその頃書いていましたが、里子さんはもっとロックンロール的なものを求めていて、ふたりの親睦は日々深まっていくのです。容子は、里子さんと中園商店街を歩いているとき、もっとも気分爽快になっていたようで人々とすれ違うとき、それは佳境に達するのです。もともと延岡は旭化成の町だと聞いていたことでも長崎とは共通点があって、親類縁者の誰かは三菱にいるっていう長崎に似ていました。延岡弁は特徴があって、それこそ、イントネーションが突飛で可愛い。容子はこういうすべての面で共通項のある里子さんにぞっこんになっていく自分がたまらなく幸運であったことをあたしに話してくれたのです。