アクアマリン・マン94

 

二回僕の番が飛んでしまったけどそれは仕方ない。そこまで充分な時間をもらえて助かった・・・と捉えている。昨夜容子から具体的指示があってみんなも驚いただろう。ただ、この動物の種類を言えばいいって。ゴリラだ。こんなぶっちゃけた容子は久し振りでそれもこれも絆の構築が叶ったことが大きい。しかも親がセッティングするのではなくふたりだけで計画を立てて実行した。ヒルトンホテルで食事したときの写真を添えて、まず自分たちの経緯を詳らかにしてみなに開示する。驚いたのは、一緒に棲み始めた年月日まで細かに記載されてしかも皆にお茶の葉のプレゼント。粋だなあって僕も驚いた。秋月園のお品だった。それはTパック詰合せで皆が喜ぶものだった。容子ならお茶の葉をそのまま進呈しただろう。時代はやはりTバッグなのだ。次男のお嫁さんもそうだが、偶然にも三男の嫁になる方も同じ世代で大谷世代と呼ばれている。今年29歳を迎えるアラサーだ・・・この頃の僕は自分に出来ないことは皆無だと思っていた。バンカーとして出来ないことなどない・・・ってみなぎる自信にあふれていた。しかし全く結婚のことを考えない訳ではなかったのに僕は30代になっても結婚が叶わなかった。容子と出会ったときには43歳になろうとしていた。そういう土壇場だったこともあって決心は容易に出来た。30代の頃はまだ理想が高かったことも言える。人は世代をひとっ飛びする度に新しい概念を身につける生き物・・・40代になった方々でもまだ充分に期待は出来る。要するに結婚したい♪と思うか思わないか?の選択肢になる。(24376)