ブラックオニキス・マン193

 

僕の友達を呼ぶときも、さん付けや君付けで呼んで欲しいって強く願望していたけど、なかなか母はみずから言い方を替えることには至らず、名字で呼び捨てにするのは愛着があるからこそはわかっていても、どこのお母さんも、さんや君で呼ぶのに僕の母だけは名字呼び捨て・・・もしくは名前だけ。それはないだろうって、僕は高学年になる前には、母にちょくで注文を出したくらいだ。わかったよ・・って快諾はそのとき、くれたから僕は早く請願すればよかった・・ってあとから悔いた。姉や兄の友達にはさんやくんを付けて友達を呼んでいたから僕だけ・・・よっぽど親しい人にしか名字呼び捨てで呼んだりはしないから愛着があったんだろう・・・と今は思う。僕がそれからこの母は、言えば是正は速いんだな・・っていうことに気が付き、そのあと、次のようなことを要請とまでいかずも示唆したのを覚えている。お母さんは物を書く仕事をしている時間を最優先に思うっていうことは分かるけど、他のお母さんたちはもっと偉いんだよ・・・家事を完璧に近いくらいやっている。母はそのとき、どうやって僕に対峙したか?覚えている。うまくスルーした。相変わらずだな・・・って思い、全く母に是正もないだろう・・って諦めていたときだった。尊敬するよ、普通のお母さんの仕事を一生懸命にやっている人たち、お母さんは今は、そう出来ないけど、その人達のことを認めるって。母は天邪鬼だけど同化も速いんだなってそのとき感動をもらっていた。(24353)