ブラックオニキス・マン189

 

僕等が棲むマンションの直ぐ傍にあるココスに、母は昨夜バイトが終わってお邪魔をしたらしい。それも誕生月の姉の為に、無料のクーポンは二枚も出ていて、ちゃっかりそれをゲットしに行ったらしい。ココスのスープは昨夜のスープバーでは二種類があって、山菜風味わかめスープとオニオンスープ。どちらも重厚でお味が良くて、7歳の甥っ子も何杯もお替り!!を連発するというウマさだったようだ。しかし残念なことにラストオーダー迫る頃にはドリンクバーが大変なことになって、どうもシステムがきちんと作動してなくて、姉がカップについで来たココアは、白湯同然。しかしこんなことに追い込まれてはみても、一言も文句が出せない。僕はここに、商売の値踏みと美味が沈殿すると見ている。無料で頂いた誕生日スイーツの素晴らしさで、初でマカロンを口にした姉。おまけに歌付きだ。そしてチョコアイスクリームも別に付く。これらのプレゼントスイーツを頂いたことで、華やぐ境地をゲットしているのに、たかだかココアがまずかったくらいで怒るか?っていうとノーである。母はずっと文章のプレゼントを大衆に行ってきている。その行為には心底、母からの愛が含有だと僕等は自負出来る。母は生まれて一回も執筆で収入を得てない。それなのに、不屈の精神でここまで来ている。歌のつく誕生日スイーツは、むしろ、母が、受け取るべきご褒美だと僕は思っている。(24325)