ブラックオニキス・マン177

 ようやく漕ぎ着けた感触はある。何度もダメだ・・・って傷心の身になるが、それでもなんとか生きている。母を見ていると

そのいい加減さが結局、武器になっていることにハッとする。完璧でありたい人間は5万と居ても、全員が完璧を喪失してしまう。母の前に出るとパーフェクトではなくなるのは意味深だ。

的を射るからマカ不思議だ。阿羅漢という人物の標榜と似ている。お布施をもらうべき人間で人徳もそして気概もある。しかし、日本ではこの三文字はメジャーでは決してなかった。母は改めて還暦とこの阿羅漢を掛けて川柳を今日、楽天ブログで出すだろう。アラウンド60なら、普通は、次のように言うのが世間一般だ。アラシックス。省略するとアラシだろう。しかし、あえて、母は還暦に入るすべての人脈に拘った。アラウンド還暦、つまり還暦を迎えるまで、あと数年が準備されてある人々へ励ましのエールを送りたいのだ。そして気骨も献上したい。洒脱にも阿羅漢が懸かっているとすれば嬉しい暗算である。もちろんお布施をもらうべき人物たちの上前をはねることは到底不可能なのは世の常識で、そこは動かない。しかし母は、阿羅漢に掛けて川柳を詠む技術を駆使する。科学と、文学の接点はここなのではないのか。文学にも技術の要諦がしっかりあるとの証明になる。