イエローダイヤ・マン1542

 あと10日間しか命がないとわかっていたら好きなことをやって最期を迎えたいは全員にあるだろう。霜月沈没まであと10日。1944年の11月25日だった。ちょうど僚艦なしで航行中の霜月が突如、旗艦になる。五十鈴がコレヒドール島付近で被雷し、江戸少将たちが移艦して来て脇田大佐と同じ艦になる。僕は自分が経験したわけでもないのに旗艦という二文字を見ると若い頃から興奮を覚えていた。なぜだろう。記憶の遺伝子があるのでは?は自分なりに想像していたが、

旗艦というのは将が乗る船ということで、脇田大佐が乗るだけでは旗艦にはならなかったのだ。そこを思うと祖父はラッキーだったというしかない。戦争末期の混乱で、誰もが、脇田大佐のことを頭の片隅にすら入れないというのに、江戸少将が来たことによって旗艦で最期を遂げることが出来た。巻き添えになった若い兵隊たちを思うと、二の句が告げない。しかしそこまで日本のことを思ってくれた真実に触れるとき、平和の価値を改めて思う。死ぬことがわかっていてもこの国の為に全力を尽くしてくれた功労を思わずにいられない。長崎の三菱造船所で建造された駆逐艦だった。僕は自分の命を惜しむことはもう止めにしたい。がん保険を続行するよりも大事なことがある。無料の検診券が来ている。真っ先にそれに行く方が遥かに優先したい行動だ。しかし・・・手遅れという線も、なきにしもあらず。浮世を生きるということはそういうことなのか。一ヶ月分のがん保険のお金はまだ出来ない。☆モスバーガー東長崎にて☆(なんとか癌保険のお金捻出出来ました)