エメラルド・ウーマン74

 川柳の募集を耳にした容子・・・道ノ尾西友のセリアで、長椅子に座って待っているとき。川柳を募集しているアナウンスが流れ、国民にここまで浸透している爽快感に容子は包まれます。狂歌もある小学校で眼にします。あらかじめイントロが決まった狂歌でそれに見合う狂歌を6年生の生徒全員が持ち寄り短冊もどきに清書するのです。本来筆ペンが望まれますがまだ開始したばかり。性急になってはいけません。楽しみは・・・で始まる狂歌です。そういう試みが本当に面白いしユニー気だと思う次第です。容子は百年後も残る川柳っていうことで少し大胆な試みに出ようとしています。大人の悦楽も盛り込む所存でおるのです。おかしみ、切なさ、恥ずかしさ、貧しさ・・・さまざまなことを盛り込むのは良いとして、真相は藪の中・・っていう酩酊を打開していく姿こそが、文豪にしか出来ない仕事になるかと推察します。百年後も句が残る・・っていう狙い、そのナビゲーターに容子がなれるなら、あたしも作りたい。ぞくぞくしてきます。川柳に盛り込むのは庶民の笑いであり、その逆、落胆やくやしさもあるでしょう。痛烈な批判もある。でもなぜ、そこで、人々を感動させることが出来るの?やはり共感だと私は思う。そしてもうひとつが、控えている。誰も経験しなかったことへの興味や驚異です。黒船が来た時、まさしく町民が震えた・・・焦った。この国がやられるのでは?他の国に召し取られるのでは?日本がそういうことを許すわけがありません。しかし領土への思いが国民みんなにあるのはまさしく日本人だからだと思うしそこを、あたしは否定をしない。表面だけ取り繕うことはいけません。川柳からハートを奪ってしまう行為。だから真相に容子は最期まで拘るのです。