イエローダイヤ・マン1532

 待ちに待った新幹線の開業で今年の長崎はいつもとは違う・・・今までどんなに待っただろう。それがようやく長崎の駅に新幹線が・・・ファミリーマートで広報誌が置いてあって、いつもモーニングコーヒーを飲む僕の横にあるために、その勇姿をみんなに見てもらうことが今朝は可能になった。今まで僕は奇跡というものを実際味わったことがなかったのに今朝は素晴らしいものを見た・・・バイトの帰り、バナナ工場の前を徒歩で歩いているときだった。いつものように川の流れを見つめながら歩くのだが、前方に人がいてその人がひっきりなしに川を見て首をかしげている。僕にも想像がついた。いつもとは何かが違うのでは?それがとっさに頭にひらめいていた。この川は中尾ダムを経由して流れてくる。その流れは八郎川と最後合流するのだ。よく見ると、川の色が・・・エメラルドに染まっているのだ。まさか。こんなことが起こるのか?僕は奇跡が起こった・・・とすかさず認識した。エメラルドはターコイズブルーとよく比較される。エメラルドグリーンの美しさはえも言われぬ景観で僕を包み込み離さなかった。いつものように時間は流れていく。なんら変化はないと日常は高をくくっている僕もおとぎの国へ迷い込んだ少年になっていた。大人になるにつれ、失っていったものが何だったのか?ふと、わかった気がした。いつの間にか、それを取り戻しているのだった。