ルビー・ウーマン1115

 だんだん二階の部屋での執筆にも慣れて来て、幸いなことに、この部屋から普賢山が見える。頂上が綺麗に見えます。両親の初デートの場所…信じられないことですが6つある部屋のうち、普賢山が見えるのは2つだけ。私が、今いる部屋は長女が使っていました。隣は最初は次男の部屋でしたが、三男の部屋にいつしか替わった。いずれは孫が帰るお部屋になるでしょう。亡き夫が建ててくれた家ですが、修復が必要であちこち傷み悲鳴を上げています。しかし彼は誰にも出来ない偉業を成し遂げたのでは?と今では総括しています。私はふる里に帰ることを、そこまで喜んではいなかったことです。結婚して約10年は3箇所の転勤先について行きました。福岡、宇部、熊本です。私は地元にはいない方が心安らいだのです。落ちこぼれになって、街の人々から噂をされて、何ひとつ、良い思い出のないこの街に、特別に帰りたい!!など、思えるはずもないけど、彼は、一段上から、バンカーの眼差しで先読みしていたのです。お父さんやお母さんも、きっと安心するよ、そして何より、ふる里に家を建て、子育て出来る幸せは、何物にも替え難いって力説していたのです。

 ようやく、真価が自分の中で見えて来ました。嘘替えを財布にそっと入れ始めて運気を向上させていることが自分でも不思議です。整理整頓をやれば必ずなにか出てきます。そのひとつひとつが、過去から生き返り、あたしをフォローしてくれる。ありがたい国に生まれている自分。幸先が良いなって今、素直に認めているのです。