デニム・ブルーママン16の20

 生まれたときから男子だった気持ちが消えず、戸惑いを隠さず告知した容子は正直と言うより、自然に出た吐露だと私は思います。そういう人間ってゼロではない。私も全く、自分を女子とは思えないとき…それが存在したのです。姉や妹とは違うな…根本的な差異を親近者に囲まれ意識を、新たにすることはあった。
 しかし、普段は深く考えません。世の中の枠組みに収まることがまず重要だったし自然にそれが出来る自分であるようある意味装っていたのです。かと言って男子に近付き、仲良くなることには、絶対になりません。意識は同じでも、自分から、別に分類しバリアを設けていた節はあります。男子のココロを持ちながら女子であることの新鮮味も味わえるご加護はありました。容子は見ているだけで、おかしみが湧いて来たのも、矛盾が奥底にあったからだと思います。滑稽ではあるけど異形ではなく、世の中に確かに混在する2刀流の存在を知らしめる一例かもしれません。母性と深く関連していて、母親になれるか、なれないか?そこで正体が明らかになる…と私は踏んでいました。