デニム・ブルーママン16の14

 秋が終わり寒い冬の最中でした。容子は毎晩あんかをふくろはぎの間に挟んで寝るくせがあったんですが、それによって火傷をしてしまうのです。すぐ、千綿病院に通い始めますが傷跡が遺るだろうと心配しました。結構大きい傷が左のふくろはぎに出来てしまうのです。膿を持って酷くなるより良かったね?って私もそこまで心配はしていませんでしたが、あんかの恐ろしさに容子自身も気がついたようなのです。寝ている間に温度は高くなり、知らないうちに、皮膚を損傷してしばらくは傷跡を見せに病院へ通院しました。

 何事もなく生きていることがどんなに幸せなのか・・・を心底悟っていたようです。私は滅相もないことを心の奥底で願っていました。公立高校に間違って入ることがないように・・・って。それは本人の人生を狂わせてしまうことだと自分の中で解決済だったのです。容子のふたりいる女子のいとこのうち、大村に棲むいとこも公立に落ちて活水高校に進学し、順当に駒を進めていたこともお手本になる鏡としてあったのです。勉学を極めたい人間たちのクールルールは存在していたのです。兄を見ていたから悟っていた部位もある。高い能力を持つ者には、周囲を蹴落として行く位の勉学への覇気があったのです。容子の場合はミュージシャンが目標としてあった。それらを補完していくには自由な時間と着地出来る構想背景が必須だったのです。