デニム・ブルーママン13の20

 蓮っ葉な私が直感で選び採るものなど、全く存在はしなかった。どんな言葉も用を足さない。なぜ、そこまで自分を卑下しないといけないの?って遠回しに周囲は容子の耳に事の全容を入れようとします。なんでもっとプライド持たないのかしらん?って。海軍大佐だったお父さんがきっと哀しんでいる…って。伯母は万博に連れて行った自分の好意を前提として皆に聞こえるように私の耳にももちろん入るように吹聴することはあった。そういう時、耳を塞ぐようにしました。プライド?自分に自信を持つ?なぜ、そういうことが易易と出来るのでしょう。あたしのプライドは枯渇したまま。軍人の家に教育されてその指揮官に育成されてまるでヒトラーの忘れ物同然の心の中だったのです。しかし容子は全く違う感性を維持していたことは光明でした。あの子が自分で掴み取る視野、そして理性、倫理。果たしてどんな内容になるのか?希望だけではありません。失態もある。そして間違いでも正々堂々と語るかも・・・しかしあえて黙らせることはしません。なぜなら、自分から黙ったからです。中一の終わりからずっと二年生の担任が過ぎ去るまで容子は反発し勉強に身を入れるをしません。本人はすぐに勉強を再開すれば取り戻せると甘い算段にあったと想像する。何もかも本人に任せるは放任とはわけが違うのです。

f:id:hn0709:20220126205009j:plain