エメラルド・ウーマン12

 独身に戻って、生活をしていたある日の放課後、教室を出ようかというとき、夫が後ろに立っています。まだ、実は、離婚の届けは出してないと聞き、私の心はぐらつきます。彼は、私の身体をねぎらい、言葉を掛けてきます。そして、そっとこう言うのです。もしも、帰りたいと思うなら、今なら、間に合う。そのまま以前に戻ることが出来る。帰るなら、今しかない…私は相当に迷うけれど家に帰り着くも、母親には言わないでおくのです。勝手に軽はずみな行動を起こせない。母が、したためた離縁状の存在が宙に浮いてしまい、母に恥をかかせてしまう…私は迷いに迷いはするものの夫の言葉に従うことはしないでおくのです。