デニム・ブルー・サファイアママン8の14

 容子は五右衛門風呂にも、段々慣れて最初怖がっていたことは、反故にして、楽しむのです。勢いよく浮力で浮かんでくる丸い板を右足で上手いとこ沈めて身体を徐々に乗っけていく。鉄ですから、背中も触れず入浴しないと熱い。しかし、いつか、要領を掴んだのか、熱くないときがあることを、知りその頃合いを探りながら背中を付けて入る。せっせと、湯加減を聞き薪をくべようか?は毎度の義母。容子と直接話す機会を狙うのは分かる。みんなが容子のボランティア精神を伺うものの、そういった言葉はまだ当時はない。みずから、自然に人様のこころを読み懐へ入り込む術を身に付けつつあったのです。