デニム・ブルー・サファイアママン8の8

 容子は日々のピアノの練習時間を決めてなくて、私も了承していました。帰宅するとすぐ、弟に声を掛けて、おままごとなど様々な嗜好をこらした遊びを転開する。弟は容子が与える世界をしっかり把握し、それ以外、入る余地すらない位、影響を受けていたのです。ピアノは確かに上達はして欲しいものの、優先順位が確立していたのです。弟の感性は純粋で、ガラス細工のように美しい尊いもの、そして、この感性が凄く大事と話してくれる。一回、罪を侵した自分には、絶対に踏み込めない聖域があるって…私は容子の云うことにも、一理あるとため息をつくのです。イノセントの塊が弟だと云うのです。