デニム・ブルー・サファイアママン7の20

 夜は神社の裏山の方からフクロウの一家が飛んできて、くすの木に留まって鳴く声がします。この音に心が清められる。結構大きな鳴き声です。ああ・・・来ているね!!って容子が言うと弟も耳を澄ませる。人間を怖がらずにいる証拠だと夫も話してくれる。なぜなら人懐っこい性格ともうひとつ・・・とっても慎重なのがフクロウの習性だというのです。裏山の原生林の方からわざわざ来てくれる。くすの木が気に入っている証拠でしょう。一晩中鳴くことはないのです。2時間くらい鳴いて帰って行きます。自分の家はきっと別にあるのでしょう。一晩のうちのほんの数時間・・・この夜のしじまが夢のような時間に変わるときです。人間と生き物の共生は素晴らしいもの。そしてその声を聞けることが奇跡なのです。いつか・・・この声が聞けなくなることも視野に入っている。予感のようなものが人間には常にあるのです。ほお、ほお、ほおって。その鳴き声に心の底から感動出来ることがまず、幸せだったのかもしれません。