デニム・ブルー・サファイアママン7の6

 夫が先回りしてみんなの快諾をすでに取り付けていることで、不快感は倍増しになるけど、私も臨月の身・・・そこで自分は反対だ!!って強く言って喧嘩になって破水でもしたら大変な事態になる。我が家には自家用車がない。タクシーで飛ばしても三十分以上はかかるし、まだ、長崎バイパスも開通してはいない頃。夫には、でも自分の意志はしっかりと伝えておかないといけない。彼は私が絶対に賛成はしないことを知っている。それなのに押し付けようとしている。ここが難解なのです。男という生き物は、みんなにいい顔をしたい生き物。それが、ばればれになっていました。私はやんわりお金は出さない。出せないことを言いました。夫は私の遺産受け取りを淡いくらいは想像していた。兄との会話でそれは感じていたのでしょう。しかし幾らか?そこまでは仔細は知らないのです。今ここで妥協すれば延々と義母に支払いをしないといけなくなる。私はドケチを超えた守銭奴でした。このきちきちした性悪な気質こそが、倹約の人。それは妥協からは絶対に生まれない稀有な人材だったのです。私は家を出て行くことを夫にさりげなく伝えます。あなたがそこまで言うのなら私はこの家を出て行く覚悟も用意もある・・・って。彼は青ざめてすぐ謝って来ます。そして・・・僕の浅はかな見当違いだったって、義母たちにすぐに伝えに行ってくれるのです。