デニム・ブルー・サファイアママン4の11

 家に歩いて帰る道すがら、容子は自転車に牽かれます。今のちょうどダイレックス若葉のある付近。当時は何もなかった。容子はあとから牽かれた理由を話してくれますが、その日押し黙って言わない。当時は両方の道の隅っこでおしっこをしたりも自由だったのです。田舎だったこともある。片方でしようと決めたけど、草がぼうぼうで痛いことがわかる。かがんでみてわかり、次はもう片方へ走って行って見る。そこは逆に草がなくて、人様に見られる。すっぽんぽんってやつです。容子は迷って行ったり来たり。そういうすったもんだで自転車に牽かれ、右足の中央を怪我して倒れて泣く。しかしその青年は善人だったのです。アパートまで引率し、両親がいないことを見計らい、また夜に訪問してくれるのです。丁寧な謝りを見て感動した容子です。自分が悪いのにこんな頭を下げてくれた・・・しかも父親以外の男の人におんぶされたのは初。どんなに痛かったでしょう。でも幸いなことに骨に異常はなく済んだのです。この経験はいかに容子が優柔不断かを顕著に表すだけに蛍光ペンです。誰も起こさないような事故に見舞われるのも、どっちにしようかな?こっち?それともあっち?周囲にある人々も右往左往させられる。禁物です。あの子に選択の余地を与えてはいけないのです。