デニム・ブルー・サファイアママン3の14

 字を書けるようになるのは何が目的だろう?そこを冷静に踏まえれば先も見えてくるし、もしも美しい字を書ける頭のいい女子がいるとしても、このままではもったいない。読解力、そして表現力です。しかしまだそれを言うには早すぎる・・・って夫も勇み足は避けたい気持ちでいたようです。私は言葉に対す理解度を容子がいかに身につけているのか伺い、そこを掴むのです。腑に落ちないという言葉が聞こえてくれば容子は想像し、ある程度限定してこれではないか?を私の脳裏に打診してきます。疑っているのよね?って。合っていようと合っていまいとどっちでもいいと想いません。合っているからこそ、次が控えているのです。ほぼ毎日が安息日のように安らかな状態の子供ではない、切磋琢磨の環境で戦々恐々と育成された容子にしかない感性が構築されつつあったことは言えるでしょう。しかし私が懸命に詰め込み型教育に走ったのには並走しているかに見えて容子は父親をよく観察していました。虐められる人間にある特殊な温かみに打たれるかのように、惹かれていたのです。父親はなぜ、毎日のようにイジメを受けている?その最たる原因は?って。物事には原因と結果は必ずあることを知ったようです。子供の目をないがしろにしてはいけないことは百も承知の私ではあったのです。