デニム・ブルー・サファイアママン3の12

 わだかまりや衝突は毎日のように起るものの、私は常に勝ち組にいたこと・・・後から悔いても遅いけどあの事件は容子が被害者だったかも・・・って後に反省材料にすらなっていくのです。夫は言い訳上手で、弁解の達人です。なんと、こうほざくのです。自分は光熱費、食費、アパート家賃、ほぼすべてあなたに渡しているじゃなかね?って。それで、もっと、僕に出してくれ!!って言われても、僕にだって男の領分がある。付き合いだって。えええ?って私は睨み返します。だいたいの察しはついていたのです。昔は日曜日に学校へ出向き、留守中を見守る当番制度があったのです。それに就くとき、夫の帰りは必ず遅い。実家に帰って義母にお金を手渡しているのでは?って私は推測します。この推測がソッコー邪推に変化するのが私の性癖。でも夫は口では違う!!って返答します。しかし優しい心根でタヤを思う夫が全く何も金銭的な援助をしないことは逆に想像が出来なかった。姉の希子が充分にそこは尽しているとは聞いてはいましたが、夫のマザコンの強度を知るがゆえ、私は追及の手を緩めなかったのです。こんな、完璧なマヌケはいない・・・って心底思う位、演技も上手い。つまり、私に虐げられることで夫は日々成長を余儀なくしていったのです。当の容子は常に攻撃を受ける父を目の前にして、男の生きざまについて深く憂慮していく最中だったのです。