デニム・ブルー・サファイアママン3の3

 女三界に家はなし・・・。いきなりですが思い出すのです。母キミは盛んにこの言葉を、生前言っていた。軍人の妻になってその嘆きか?と当初は思ったけれど、時間を経て段々解ってきたこと、それが女性が生きるということは辛いことの連続だという行です。もちろん例外もあるでしょう。何にも憂いを持つようなことには至らず一生を楽に暮らしていく・・・しかし逆にそういう女性は数が少なのでは?と改めるのです。彼女は旅館の仲居をしながら暫くお姉さんに子供を預けて生きていくことを告げ、その時私の頭に飛来したのは、大胆かつ無鉄砲なこの家出には、かなり周到な計画も練られてあったこと、そしてあとをすべてご主人に任せた点でも凄いと思ったのです。養育費も恐らく拒む積りなのでしょう。彼女に誰か好きな人が出来たとかそういう次元ではないのです。しかしこのような前向きな生き方に、突然方向を獲れる女性の強さに、自分にはない能動的な社会性を禁じえなかった。人生で、ほぼ誰かに守られて生きてきた自分の過去を総括する機会を得るのです。大嫌いになった夫の支配下でいたくはない妻がいたとすれば・・・ここまで機敏に動くことが、やはり正当な行動だったの?まだ答えは出せません。