ルビー・ウーマン776

 もう一回思い出してもドキドキしてまた調べたくなる。この映画、3つの王国と3人の女ですが、むしろ・・・3人の男が引き金になっている。ここが面白いのです。五日物語は壮大なロケで名所が網羅で心も満足にいざなわれる。こういった映画はお金をたっぷり使ってあるから見るべき・・・しかも掛けたお金に対して興行収入が足りない。いい映画だけどみんなをまだひきつけてない点が逆に嬉しくなる。なぜならまだ、みんなが知らないという別の存在感です。最初のロングトレリス国の女はせっかく男子を生んだにも関わらず、息子は城を逃げ出します。大事な親友の為に戦いに向かうのです。母親が遊んではいけないと言っても言うことをきかない。まさしく素晴らしい息子なのに、母にはそこも見えない。男が引き金というのは国の跡取りを産むことで男が教えた嘘の法則に血眼になった末、こういう生き方に変わっています。二番目の城、ストロングクリフ国の王はもっと酷い。若い娘には非常に気をつかい、もてなすけど、老女で醜いなら窓からぽい捨て。死んでも構わないっていう形相。そして三番目の父親が哀れでした。とんでもない野蛮人に娘をくれてしまう。約束を反故に出来ない真面目さが裏目に出る、そして娘が殺人鬼になって帰ってくる。鬼の首は獲ったもののこれでは人間の器ではない。かつてない解釈とスケールで男というものを描いた点が優れていてもう一回観たいなって切に思う。なかなかお目に掛かれない。