ブラックオニキス・マン68

 僕は久し振りに母のもとを訪ね、ナナコを一枚プレゼントされる。本人も言うように二枚持っていて残高が二倍近く違う。一枚には、一万円の残高。そしてもう一枚は五千円くらい入っていた。僕はナンタルチア、ナナコを持っていなくて母はおっかなびっくりする。あんたさあ、北京原人だってナナコは持っているってのに御大層な身分やわ~~って。しかし僕は頻繁にセブンイレブンには行く。現金が好きでこの方法でやり取りしている。母は二枚あってどっちに一杯チャージが入っているか分からず、僕に一枚渡し夜にナナコ使用して、分かったはずだ。僕の方に一万超のを渡してしまったことが判明して、ニヤっの反意語、オエッとする。ちっくっしょう!!ヤラレタ~~表面から全く分からない。実はそこにナナコの魅力がある。僕はこの一万円で一ヶ月は煙草代、昼飯代が浮きそうで喜びにむせぶ。母が大好きな飲食店が並ぶ場所に僕が棲んでいることで、いいないいな!!ってわめく。長崎弁ではオメクだ。しかし僕らは一回たりとも、そういう店へ行ったことがない。行くのはダイレックスかコスモス。母は飲食店が大好き!!それがあって、いつも上昇志向なのかもしれない。僕は一杯入っている方のナナコを当てたことで運が向いてくる予兆含みだ。親子であっても金銭はシビア。言うまでもない。