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 ご多分に漏れず、僕も同様だ。この時期だけ戦争について検証する。八月の広島、長崎原爆投下から終戦記念日までの10日間。僕自体、もっと長く、深く、原爆のことを検証するべきだ・・・とそう思いながらテレビをチャンネル操作してたら、いい番組で偶然出会う。震洋について語っているのだ。川棚にドライブに行くたびに気になっていた場所だっただけに僕はすぐ釘付けになる。94歳になるその特攻殉国の碑資料館からの生中継に来た進藤貞雄さんは、当時の様子を振り返る。列車が駅についても窓も開けられず、重々しい空気を読み取ったという。特攻とは突撃して自分も死ぬ為の訓練。水上特攻艇での様子も話してくれる。終戦し進藤さんは死ぬことは免れたが僕は聞きながら本当に恐ろしくなる。そこまで若者に死を強要出来たという軍のエゴイズム。正直本当にこの日本で起こったことなのか?・・・って。本などでページを捲りながら特攻隊を見ることはあってもこうして生き証人がみずから語ってくれるシーン。全く違う。背筋もピンとしてとても九十四歳には見えないし、杖をついてはおられてもそれが不要な位にお見受けした。彼の言葉には当時の軍がどうしても隠したかったことが漏えいしている。後の世に生きてもしや、弁明などこの若者はしないだろうか??それゆえ、ステーションに着いても窓は堅く閉ざされていたのでは?彼自身がおかしいな?って気が付いたというからそうなのだろう。