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 今回の国民一律十万円の給付で僕の化けの皮も、すっかり剥がれてしまった。政府案とは全く違うフィールドで年金システムを策定しようとしていた自分の獲らぬたぬきの皮算用精神だ。マイナンバーはあるけど、カード自体持ってない。給付には免許証コピーと銀行口座のコピーが要るのだろう。給付を速やかに貰うために早々と準備コピーを揃える自分。傍目からもう一人の冷めた僕が生きざまを見ている。傍観者の立場の僕が藪から棒に意見を発してくる。こう言う時は喜び勇んでもらうってわけ?仕方ないだろ?国民全員に給付だよ、もらっちゃあ悪いとでも?僕は傍観者の自分に食い付く。いいとこどりも、いい加減にしろよな?何だって?僕は傍観者の自分が何を言いたいのかすぐさま了解。そもそもどっちも自分だからだ。都合のいい時は政府を支持し、都合悪い時は政府と一線を画して?恐らくここだろう。僕は確かに未来型年金案を策定中だ。しかも自分本位に中身と構想を練って来た。それなのにコロナ禍には全く無関係でありながら、今回の給付を待ち望んでいる。使い道まですでに考えている。小賢しい自分が嫌になる。生まれて初めてかもしれない。今回のような全員給付というものは、過去経験がなかった。しかも十万円。生まれて初めての自己嫌悪・・・僕は雪で遭難したようにそれが重たい。雪は思う存分のしかかってきている。