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 僕は姉に言われてはっとする。お父さんの部屋ってさあ・・・まるで宝島みたい!!って。物語が書けるって豪語する。僕はすぐパチ屋の宝島を連想したのだが、久しぶり行ってがくっとする。新大工店は閉店していたのだ。姉は読み物にすぐさま反応する癖がある。レンタルして読む漫画の量も半端が無い。父の部屋をはっきり宝島と標榜するのだ。あんた、本当に、押入れの中の一切合切ひっくり返して見た?布団と布団の間もシーツの奥も調べた?書類もノート類も全部よ?僕は最初姉が何を言っているのか?全く分からずまごまごしていた。ようやく時間経過して、姉の発言の主旨と示唆が飲み込める。親父の部屋は宝島っていう意味。この意味は恐らく次のような含みなのだと僕は推量する。あんなに爪に火を灯して節約してバンカーとして40年勤務。しかもその後は出向扱いで五年、合算して45年も年金掛けて勤務した人が、たったあれだけの貯金だったことが信じられない。どこかに隠しているのでは??っていうはてなマークツインだ。僕もそれがあって昨日は夏の布団類に交換する合間、ひっくり返して調べてみる。姉が言ったことには常に信憑性がこれまであったからだ。見つかったのは父に対する定年時の身分を示す副部長待遇という辞令の紙だ。そうか。。。父は部長待遇を下されて、副になってたんだ・・・さぞくやしかっただろう。これはやはり息子の宝物!!キティのファイルに入れて大事に保管した。そして、この副を僕の力で福にする!!それが出来ないのなら本当の馬鹿息子だろう。