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 マレさんはご主人が逝去されたあと、気が付いたんですね?何を?ご主人への愛ですよ。うん、それははっきり言う。家族愛だった気がする。恋愛の延長上にある愛ではなく家族への愛、家長への尊敬。じゃあ愛ってなんですか?恋の延長上っていうのが本当の恋愛を経ての結婚?まだ、はっきり限定は出来ないの。ただ・・・棺の中で焼かれて台座の上に乗って運ばれてきた時、私は喪失感で一杯になった・・・どういう感情なんですか?それは彼の眼に私が文豪としては映らないまま逝ってしまった悔恨よ。彼に快挙を見せたかった、、・・そこを見事に外されてしまったことを嘆いていた。でも実際には、マレさんの才覚に翁は気が付いていたと僕は思うけど。思うけど~~じゃないのよ?彼は銀行マンだったのよ、きちんとした数字が伴わないと融資案件にハンコも押せない、そういう厳しい生業だった。じゃあマレさんは彼が生きている間に結果出すことが夫婦としての最少限のマナーであったと?ええ、そう思う。彼を尊敬してきた私に課せられた義務はちゃんと見極めが出来ていた。尊敬していたってどこで分かるんですか?今朝は焼き場で骨になってしまい変わり果てた姿の夫の頭をまるで玉突きするみたいに上手に砕く番人を詠もうと思う。ビリヤードじゃないんだよ?もっと丁寧に扱って!!って言いたかった。でもそれは次の人達が待つから円滑に骨壷に収納しないといけないゆえの、作業でしょ?それは分かっている。でもくやしいのよ。でわお願いします。み仏も ここにはおらず 殺生かな☆みに見るが架かる☆