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 僕が戦々恐々となっている事実。それはアクアマリンマンへの冷遇だ。これは簡単に言うと左遷だろう。どこぞへ、ポイって捨てたとしか僕には思えない。なんでこう姉のやることは粗雑なのだろう。それなのに、的を射る。こんな覇権を僕はかつて見たことがない。そういえば家でも女王さまだった。特に父からの寵愛を我がものにした。なぜ男親は女児に首ったけになるのだろう。僕は段々母寄りになる。それは自然で致し方なかったのかもな?と思う。母は姉には距離を置いていた。そこまでベッタリではなく距離を置いていつも観察していた。姉のことが本当に怖かったのだろう。だからそうしたのだろう。聡明でどこから見てもまともな母だった。しかしこのお嬢だけは手に負えなかったようだ。頭が優等とか劣等とかそういう理由付けではない。僕が思うにやはり寄だろうと思う。寄の一文字で括っていいと僕は結論付ける。言っておくが奇ではない。彼女は自分の直感で前に進んできたし直感でアクアマリンを引っ込めた。ならば僕だって、引っ込められることを前提にして、なおかつそこを予知していないと嘘だろう。姉はそこで僕を鍛えている。起こるべきことではない・・・ではなく起こりうることだよ?って僕に迫ってくる。まるで勇者のようだ。64歳を迎えようとしているのにまるでニンテンドーロクヨン世代なのだ。