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 未亡人という三文字に里子が畏敬の念を抱いていたのは幼少期からです。一体なぜでしょう。それも上品な未亡人で、幼い頃から興味を抱いていたのも夫が先に亡くならないことにはこの身分にはなれない。もしも反対の立場ならやもめでしょうが、女性の方が列記とした気品に包まれていてそこで身分の差異も感じ取ってしまっていた里子。でもなぜ、普段は地位が男の遙か下にあるはずの女性が?って。この未亡人には路頭に迷うような不安定な要素は微塵もなく、里子は男性の後ろで隠れていた女性の台頭ではないか?とまずレディミアムの先頭に居ることを自覚。なぜ、男性の後ろに隠れていたのか?って言われても、実は女性があえてそれを選んでいたのではなく、社会が里子を真っ先に見ようとはしなかったという分別も入ります。日本の常識でしょう。収入の多い、稼ぐ夫のもとにある専業主婦。年金になってもそこそこの収入があればまだ、男性の優位は続行でいつになっても里子の人間としての約定は現れては来なかった。しかし夫は亡くなった・・・。そして里子を天国で守ってくれている。このことは千人力だなあって改めて思う。イエスキリストよりも強大な力で、夫はあたしの為に奔走してくれる。この自信が里子を網羅するのです。亡くなって威力を現実のものとするのもそれまで存在すらなく、黙っていたからでしょう。夫の力は無限大で里子の活躍を約束してくれるのです。