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 僕がもっとも辛かったのは親父の咳だ。その咳を止める為の薬も常用したけどいっこうに改善が見られない。痰を自分で吐き出す力そのものが弱まって来ている。そういう死の迎え方は何としても避けたい。それならどうすれば?一体痰はどこから生まれるのだろう。あくびも不思議だ。睡眠が足らない時それが出て来る。自分で探るよう感性を尖らせるけど、あくびがどこから生まれるのか、当の本人の僕にすら解明は出来ない。それと同位で痰も分からない。どうすればそれが出なく出来るのか?薬の効果はいまいち。飲んでも飲んでなくともほぼ一緒のように感じる。逆に飲んで効果があった試しはない。まだまだ痰に関しては日本の医学が未熟であるを禁じえない。もちろん肺気腫から来ていることは分かっている。しかし家族は何もしてやれない。背中をさすってあげるくらいしか・・・。病になって健康に気が付く人は多い。その価値はひと桁違っていたと僕は以前したためたが、ここで訂正したい。二桁違う。それ位、健康には価値がある。僕達は不健康であってはならないと常に留意している訳ではないのに健康を頂いている。この恩恵を恩義に捉える。病気で苦しむ人々に手を差し延べる僕の未来は、遠からずやって来るだろう。親父が苦しんだ分、心の成長を余儀なくした。