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 白羽の矢が立つ・・・この言葉にこそ日本古来の含みがあった。まるで鈍かった僕。まるで白羽の矢が立つことを抜擢に捉えていた勘違い。辞書を引きもう一回そこを吟味する。僕はこの生贄にされる・・・っていう文字に凍え上がる。なんと僕は父によって試されていたのだ。この息子は一体何を主眼として生きているのか?そこを生贄にして吐かせてみたいっていう恐るべき罠・・・。なんで安直に考えていたのだろう。親子であるなら知っているべき性向だろう。本来なら自分の仕事を優先的に男は採るべき?例えばそれが危篤と言われても自分の仕事を投げ出してまで行くべきものなのか?わからない。結論は出ないが僕は父の意外な一面を見て驚く。僕はこう呟く・・・。医師や看護師たちの仕事の重大さを思うと大変な仕事なんだなってしみじみ思うって。その時、父が、間髪を入れずこうカマしてきたのだ。それに比べりゃあ、コンビニは誰でも出来る、そうは思わないか?そこで挫折する奴がいたら拝んでみたいなって。ショックだった。たぶん、僕のことを遠回しに言っている・・・それは間違いのない処だった。しかし少し父に差別の種があって気になる。嫌悪の分身の類だ。父のようなコンビニ認識の人々は多いのだろう。命に関わる仕事ではない??いや、それは違うと思う。僕らがもしも賞味期限切れを逃したら?確かにスキャンと同時にピーっとなって知らせてくれはする。しかしだからといって軽い仕事だと言えるだろうか?言えないとする僕がいる。