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 里子は喪服となるワンピース&ジャケットを娘のお母様から頂きます。もったいないなあってまだ中を開けられない。そこで少し気がねをするのです。伴侶はどう思うだろう。それを娘の義母さまに購入して頂いた妻に対して若干不具合を起こさないか?基本人からものを貰うのには抵抗する佐賀人のプライドがどうかならないか?心配は杞憂に終わるのです。心からありがとうを発する伴侶の心根を見て彼が芯から変わったこと。心のどこかで驚く・・・。しかも彼はお骨の入ったシンプルな骨壷を自宅で家族のみんなでお守りするその様式を聞き、熱心に長女に質問するのです。結果、お墓よりも僕はその骨壺の中でこの部屋で子供達や孫たちのみんなに守って貰う方式を選ぶよ!!って。長女はまだ知らないのです。そのサイトは見つけても実際に長崎に販社があるかどうか?分からないけど、お墓の線を、長女は断ち切らせようとするのです。伴侶は和田家に憧れてその墓の横に作りたいと前々から打診、それを和田家に了承されていたことも経緯としてあったこと、しかし長女はなんと夫にこう言うのです。血を分けていない義理のお父さんです。当主がお父さんで、何もかも、山本家から始まるっていう姿が私たちが望む姿なんだよって。里子も眩暈がしそうで、じゃあ、なんでそんな大事な思いを自分が気が付かずにいたのだろう、そこまでお父さんのことを思っていたなんて・・・・。言葉の二文字で長女は現して来たのです。お父さんに敬意を表したいって。それがこの喪服にも籠っているって。和田家とは一線を画したい彼女の強烈な意志。敬意という二文字を、お母さんには分かって欲しい・・・って。