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 僕は昨日又失敗してしまう。元旦の朝から気まずい。しかしマネージャーが気が付かなかったことをよしとして僕は顧客にそこまで謝罪しない。最初から出しているのに僕が気が付かなかった。手渡しがいいですよ?って僕はここでも果敢に顧客にアドバイスする。その顧客も中年の女性でせっかくドコモのポイントカードを出しているのに僕が気が付かない。それなのになんでアドバイス?って。なぜ、僕が正月早々深く謝れなかったのか?そこは問題点の提起だと思う。上司に良く見られたい本望が僕にも僅かつ”つだが抽出し、滲みだしてきている。いいスタッフだと思われたい。評価されたいその一存で僕は正月からミスのない自分創出で動いたことが露〔あらわ〕だ。丁重に謝罪すれば横にいるマネージャーがどうしたの??って駆け寄って来る。僕はだから自分が見落としたにも関わらず、軽い謝罪で済ませるのだが顧客は前髪を引かれるような未練で僕を見たままゆっくりゆっくり去っていく。僕は良心のかしゃくにさいなまれるけど、後ろに顧客がいることで救われレジをこなしていく。しかしちゃんと神様はみていなさる。しっぺ返しに見舞われる。その女子高校生たちは初詣に行く為の腹ごしらえだったんだろう。店を出て十五分以上経過して戻ってくる。あのう、ファミチキが入ってないんですけど?って。マネージャーはレシート見てちゃっかりレジを打っている僕のやり方にとどめを刺す。点数をあれほど二回は確認してって言ったでしょ?打つときと最後、二回は点数確認して欲しいって言ったのに基本中の基本を守ってない!!って厳重注意された。そして次の言葉だ。どうするの?あの子たちがもしも雲仙まで行ってたら?どうやって謝罪するの?クレーム解決出来るの?僕はうなだれたまま返す言葉も出なかった。