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 同じ場所で働くんだもの、和気あいあいとした現場にしなくちゃあ。みんなが同じ目標に向かっていく。その為には相手を誤解しないが一番真っ先に挙がる。新人だから常に間違うとそう思い込んだのかもしれないが、逆に言えば新人の方がよく気が付くこともある。組織に充満した鬱積がこうして新人のあたしに容赦なく襲ってくるんだけど、言わないといけない時ってあると思う。はい、すいませんで済んだ話で何も先輩のことを言うまでに至らないと非難する女性は大半だろう。それでも私は真実に拘る。間違ってもいないのに頭を下げることの多い日本人だ。特に女性にはその力量を求められる場面も多い。今まで見えなかった組織の膿や垢・・・。そういった負の遺産は当人たちには見えないことが多い。私は間違っているかもしれないけど、はっきり言う。なぜならここで掃除機を掛けてモップを掛けているのは私・・・。その時間帯の揚げものはありえない。ちょっと寂しかった先輩かもしれない。私に名指しされて嫌な気持ちになったかもしれない。でも構わない。私を厳しく追及した彼女もきっと体調が悪かったに違いない。本来なら早朝時間帯の人。人がいないことでこうして六時から出て来て夜の十時まで。そこを思うと求人してスタッフが応募して来るような爽やかな現場にすることがまず急がれる。