Ss234

 いらっしゃいませ~~ありがとうございました!!ってコンビニスタッフ達の声出しは止まらない。法外な活力を貰う。僕がいつもいくコンビニは東望店だ。この横の幼稚園を出たこともあって引き寄せられる。幼い頃の瑞々しい気持ちが僕を襲う。新鮮な風は僕の57歳の頬を撫でていく。こんなに年を食ったのか?・・・確かに現実はうちひしがれているものの心は爽快だ。姉と和解し、行こうとすれば僕はいつでも姉の家には行ける。ただ、お互い時間に拘束されているので、じっくり話すという訳にも行かない。僕には図書館があるからそこがぼくをバックアップしてくれる。洒落た喫茶もあるが一回も入ったことはない。あの椅子に座りたい!!っていう秘かな願望はあるが、僕の座る場所ではないことも頭で分かっている。人生を五十年以上過ごした者にはほぼ全員、老境の自分がはっきりと見える。そこで周囲に迷惑をかけずに生きていられれば僕は本望だ。成し遂げたこと、人に自慢したいものはない。しかし、それでいいのだ。凡人の一生と天才の一生は秤に掛ければ一目瞭然。それがもしもバランスを保っているのなら、この国が間違った証しだろう。僕は凡人としての一生を全うする。それでいい。姉も同じだろう。凡人としての一生を貫徹することは間違いない。