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 僕が小さい時から臆病で幼稚園バスが来ても中々難しかったことを姉は覚えているという。その園バスが向こうから砂利道を駆けて来るたびに僕はどうしたか?昔はところどころにまだ、砂利道が残っていて舗装道路に乗ってはいても、園バスは煙を吐いているように見えたから面白い。姉も同様に自分はビビリ屋とは言うけど、どこか姉の場合、泰然としている。僕は違う。泰然に切り替えるのに時間を要するのだ。昔・・・園バスはなんと矢上のバス停を通過しながら僕を乗せた。東長崎聖母の騎士幼稚園でここは歴史がある。僕の幼稚園入園こそが社会人になる第一歩だったことは記憶に新しい。プチ社会人だが思い出すたびに僕は新鮮な気持ちになる。この九月、母の誕生日がある。九月二十六日だ。三国同盟に近かったことでその日をどんなに日本のみんなが信頼感で見守ったか手に取るように分かる。母は後年どう思っていたのだろう。ドイツ、イタリアと手を組むことで日本の防衛が強固になったことは決して過去形ではないだろう。今・・・ドイツ、イタリア、そしてフランス、イギリスが重要になっている。出て行く!!と啖呵を切って出て行ったイギリスの手をしっかり握り直して元の鞘に戻して行く。力の限りでヨーロッパにとどまらせる。簡単ではない。よりによった時間が創出されているのも、イギリス国民が気が付いたことが大きかった。国民はもの言わぬ臓器ではない証明になる。いやこの表現ではあぶはち獲らずだ。国民は国の未来を知っている・・・が良さそうだ。