Ss189

 家を建ててすぐさま義兄は一緒には住んでない。僕はその半年間が姉との蜜月で毎日のように僕は姉の家を訪ねそして息子を駆り出す。サイクリングの爽快を彼に根本から叩き込みたかった。この息子は五人の子供の中では一番駿英で僕が手を掛ければ最大限才能を伸ばせるとそう踏んだ。坂本竜馬の像まで一緒にサイクリングでトンネルを超えて行く。確かに僕の自転車と違い甥っこの自転車は子供用で切り替えが付いてない。それなのに僕に遅れずついて来ようとする。何でも質問してくる。そこがやはり違うといえば違っていた。なんで働いてないの??子供は正直だ。それはね、まだ、これといった適職がないからなんだよ。言い聞かせるのにも骨が折れる。なんで?なんで?もう三十六歳なんでしょ??話をゼロに戻したくても敵は快速で質問してくる。ねえ、しょうちゃんの夢はなんだったの?僕は小父さんと呼ばせなかった姉を心底恨む。こういう時にしょうちゃんでは軽い。軽石よりも存在感がない。将来のユメ?一杯あったさあ・・・じゃあそれに向かって今からでも行けないの?いやあ子供って言うのは、小学五年生というのは扱えないなって僕は恨めしくなった。姉の教育方針が段々飲み込めた・・・。あなたは一番じゃないけどいずれ、何でも将来出来るようになる。言葉巧みに相手を信じ込ませ放任したのだ。いやあ恐らくこういう子育ては僕には出来かねることだった。