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 最後まで自分の意見を持って絶対に人に流されないそういった人物は政治家には向かない。一匹オオカミでは決して集票計が動かないからだ。だから秀逸の政治家でも柔軟な力、流される感情を持つ者が愛され好まれる。これを被翻弄力と呼ぼう。しかしこの様〔ざま〕では、いっこうに国のレベルは向上しないし、それでもいいんだとする有権者がその宇土の大木を支える。僕等にはそういう初歩的なヘマがない。全部は自分から流失したものだ。文章でも作品でもすべてが自前。どこからか金を受け取ったこともない。だからこの先もスムーズなのだ。国の向上には国民の向上心が不可欠でそれを炙り出していくことに意義はある。これを始めるのに金は要らない。票も必要ない。僕はこのイノセントを重鎮として愛でた。それが真髄にあるからこそ、人が本気で僕を信じることが出来る。アイデアをが逆に僕に提起してくれるし、展開してくれることも知っている。そしてつい最近だが面白いことが大相撲で起こる。三日目なのに、五つも相撲を取っている力士がいて相当の疲労困憊だと心配したら、ケロっとしているのだ。二回も取り直しをやって本来は疲れるのが常道。しかしその時、僕は気が付く。高安の名前に秘密があることを。高いの反意語は安いだけではなく、低いがあること。なんでこの言葉だけ特別なのだろうって。高いといえば反意語は低いだろう。しかし・・・この力士は安い方を獲った、しかも名前にしている。この力士の無頼派に学べば、人生の掟も見えてくる。人生には高いの反意語は低いと答える人のみではない。安いと答える人も同じ位いる。僕はいい勉強をさせてもらった。