僕は今日ほど完璧な投手を見たことがなく後ろから境内の鐘をゴーンと鳴らされたみたいなショックを受ける。勝敗の行く方は先発した投手が六割を占めるんですよ？ていう言葉を聞いたことはあったが、これだと、先発投手が九割を占めていて、しかも相手の得点はゼロ。四点差あるからクローザーのオスーナさえ出ては来ない。くやしそうな表情のトラウトに僕は稲光に似た閃光を見た。常勝軍団から学ぶべきはやはり迂闊なエラーなどないという点。投手だけ試合を引っ張るのではなく、やはりそこでは守備がものを言う。アルツーベにちょっとしたミスはあったがお茶目で許せる範囲だ。しかしエンジェルスの場合、本当にやる気があるのか？っていう位の怠慢も見られて僕はくやしかった。あんなにヒーニーが気を吐いて挑んでいるのに、お手軽お手盛りで安易に投げるレンフィーホに、締まって投げろよ！！と心の中で檄を飛ばしていた。そういう自分がいるのもベースボールを愛し過ぎたからだと深く反省する。おたくを超えて僕は魔たくになりつつある。今日のゲリット・コールを僕は忘れない。なぜなら解説者たちの話からコールが七回までしか投げないことが分かったこともある。セブンパニックの投手だったことが僕をハイレベルテンションにする。この投手はワールド試合でも重要な切り札になってアストロズを牽引していく。そして彼の上昇の歯車になっている人物は部内ライバルであるバーランダーであることも疑う余地はない。
