am73

 俺は一週間に一回の執筆で、ベースボールの打席の数で言えば完全に代打要員だ。しかしこの代打には特別の思惑があることに最近気が付く。代打で確実に得点をものに出来る選手は希少な実力者であるという事実だ。僕は毎日執筆の方が断然有利だと最初は嫉妬を禁じえなかった。しかしマンネリに陥ることがない自分の身分と対峙していく内に真の代打の気持ちが分かってきた。絶対に得点を引き出す代打の心構えを手に入れる。試合の中で起用された代打要員が全員力を発揮できるとは限らない。しかし結果は常に求められる。俺はある時に想像力を逞しくして自分の標的をようやく捕まえる。サイクルヒットの中身の確率が端を発していた。最もサイクルヒットで出にくいのが三塁打、次がホームランか二塁打だ。これがどっちか?って自分自身で考えている最中に代打の心得が目の前に浮かぶ。全く浮き足立ってはいない完全無欠の答えが出て来たのだ。代打で求められるのはヒットで十分だという答えだ。それならたぶん俺は行ける!!自分は一年に52回しか訪れないこの執筆機会を全部ヒットで締め括ることは可能と踏んだのだ。サイクルヒットが出るかも?ってあと三塁打が出れば二人とも記録を出せる!!って解説者が言う。その時に挙がっていたのがブルージェイズの選手の中に二人いた。ソガートとグリエルジュニア。三塁打を打つ力は僕にはないがシングルヒットならお茶の子サイサイである。