Ss134

 僕は明日のアクアマリンのダミーではない。僕には確固として信念があって、しかし言葉足らずの一面があって、これまで本来の僕を発揮出来なかったとそこを悔やむ。悶々として考えていたその苦しみがこうして報われて今があるのも天然知能のお陰。僕の考えていることが姉には何も言わずとも一発で通じる。この一発に込められたものこそが通念というものだろう。つまり僕には僕の常識が頑固としてあるということで、割と古臭い考え方を僕は内奥に隠し持っている。こういう理想とか自尊心は本来僕にあったものだが、いつの間にか、自分の中からなくなって廃れてしまった化石・・・。哀れではあるが僕はあえて自分を否定しないで、無力地帯にいる自分の真実を見ようと日頃から心掛ける。僕は姉のような権力志向の女性をもっとも嫌う。嫌悪感を禁じえず、元来姉が持っていたお茶目さが戻れば僕も少しは開襟を開いてもいいかな?っていう用意はある。男尊女卑ではない。男が作り上げた社会の内で、不用意にも置かれた駒が女性である。身分が確約されている訳ではない。日本の中でまだ息絶えずにある勇壮型日本男子を僕は理想としている。隣国に怯えることなく、アメリカの犬になることなく、ヨーロッパと対等に渡り合える子孫になって欲しい願望で僕は満ち溢れている。それがしの願いが不遜だと言われればそれまでだが・・・。