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 何でも言えるが最初にやり始める処の人間には、注目も懐疑も集まるということで僕は迷っている。最近、毎週土曜日の寿司バイキングに参加するようになって、自分でタッパーを持って行き、薄いビニール手袋も持参で参加すれば、偉い楽になるのにな?って。全部の握り鮨が五十円だから焦るし、トングも数本と限りがある。速く入れ込もうと躍起になって、これがもしも素手のような薄い手袋持参で行けば、もっと作業が楽になるのにな?って。いや、スーパー内魚店に頼めば、手袋をそのつど出してはくれる。それがなぜ解るかというとこの前、目の前にあったので手に取ろうとしたら使用済み。僕はその時に思ったのだ。採算が取れなくなる相手になってはいけないなって...。そこでタッパー論も浮かんでくる。十個以上は一気に入れ込みたい。この前、三千円以上しまむらで買い物した時にプレゼントで貰ったピンクのタッパーが家に三個あって、それが目に浮かぶ。しかし僕にはそこまでするとどうしても目立ってしまいそうで嫌なのだ。気恥しさが生じる。食べたり飲んだりといったざっくばらんな場所柄はすべて個人主義で行きたい僕。カッコつけたい僕から、ビニールの手袋案もタッパー論も机上の空論として消え去った。僕達は常に他人の目を気にする。それが精神構造上の間取りだ。社会人のつまらなさかもしれない。