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 私の結婚はきっと自分は遡上しても相手が谷底に落ちる結婚だったと冷静に今総括します。私は自由ですべてが思うがまま、しかし相手は水と油のように浮いてしまうのです。彼が水で私は油でしょう、両者は永遠に溶け合うことはなく、いつも分離を余儀なくしていて観ている人々も矛盾を免れないでしょう。しかしこの矛盾こそが結婚の正体です。多くの人がその混濁から逃れ、あああ、自分らはまじで良かった部類ね?って安心した時から危機はやって来るのです。私は夫に同化しなかったし、自分に彼を馴染ませることもしなかった。個々の感性を大事にしたというよりもお互いの個性をクロスさせたのです。最近ですが、三男は面白い結婚の法則を私に言って来る。何を言い出すかと思うと、ほとんどの友達の家庭がお父さんはユルくてお母さんが厳しい家庭だと言うのです。ほぼどの家庭も母親が厳しくて、父親が甘い。優しい。ユルイって。それで、いい家庭になっていることを耳にして、私はユルイ母親だったことを責められているのかな?って一瞬心配したんですが、その役割分担が大事だと彼は説くのです。どちらかが緩めでどちらかがぎちぎち堅い。この両者が成せる家庭構造が文句なし。ユル目の私はこのままでいいのです。ぎちぎちの伴侶もこのままでいいのです。