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 みんながお茶を濁したように、おできに触るように負債の話には触れない。これは自分がどこかで勘違いしたのか?ってまず支配人に質問するのです。するとまだ、何もオーナーから話は来ていないとこうです。私はチークダンスを踊っていた時に、全部完済した気分になっていたのですから、世の中は厳しいし、個人の負債の解決にそこまで親切でもないなって、突然我に返ったのです。自分の中で、負債の方程式は奇麗に解けて見事に解決していたことで、私は自分の恐るべき、あるまじき性格を知るのです。みんなが自分の生活の向上の為に動いてくれるという盲信です。それは妄信と書き換えてもいい。しかしながら浮世の条理はそんなに甘くはない。それなのに、私は支店長とオーナーの緻密な関係度に便乗して、運よく救われるのでは??と大きな期待を寄せていたのです。どうして物事をいいように楽なように思い込んでしまうのかは分かりません。当時、誰もが、少し位の負債は抱えていたでしょう。しかし稼いでもいないのにこれだけの毎月返済をしている人間は、ほんの一握りだったでしょう。私は堂々と、オーナーにどうなったかを自分で再度尋ねる位の勇気は持ってはいたのですが、ダメだったときのショックは計り知れないと見て、訊くのも後回しにしているような有様だったのです。